子供の成長を見守る神明神社 〜碑に刻まれた村民の想い
こんにちは。今回は草加市谷塚上町にある神明神社に参拝してきました。
公園が併設されたお宮さんです。当日は子供達が元気に遊んでいました。遊んでいて怪我をしないようにか、灯籠には囲いがされていたりと工夫のされた良い公園だと思います。
公民館っぽい建物の横に碑がありました。碑額には「再建記念碑」と書かれています。
楷書のような結構(文字の構え)ですが、筆法を見ると隷書にみえるのが不思議です。
碑陽の本文は漢字とカタカナの混じり文です。右払いが伸びやかで余裕を感じますね。本文には以下のように書かれています。
明治四十二年鎮守神明宮他社に合祀せらるるや爾後村民齊しく寂寥の情に堪へざりき
茲に有志相会して神社再建を企るや一村の志望翕然として集り昭和五年一月二十六日工を起し同年五月二十六日竣工し村民多年の渇望医せられたり
巌然たる此社一村景慕の標となり敬神崇祖質素勤勉共同和合の則を示され長へに人心を薫化せん
七十二叟香雪靖謹書
明治頃は各地の小さなお宮さんが大きなお宮さんに合祀(一緒に祀られること)する運動がさかんだったようですので、その流れを受けてこの神明神社も合祀されたようです。
しかし、物心ついた時からあったお宮が無くなるというのはやはり寂しかったようで、有志で再建したと書かれています。しかも着工から4ヶ月という早業です。宮大工さんも村内にいたんでしょう。神様も早く休み処ができて喜んでいそうですね。
書者は原香雪と読めます。昭和12年立碑ですが、72歳と記載があるので長老的な立ち位置の方だったのでしょうか。まさに老練な境地といった味わいある字を残しています。
もうひとつおもしろいものがありました。こちらには「紀元二千六百年記念」「昭和十五年十月建之」と刻まれています。神社が再建してから10年後に建てられているのがわかりますが、立っている位置がなんとも変です。
拝殿の正面に無いのですが、ここに写っている建物の先はちょうど参道の入り口辺りになります。形状からして元々鳥居だったのではないだろうかと想像していますが、区画が変わって建物が建ってしまったので、取り残されたものでないかと考察してしまいます。
しかし、よくみるとブランコのようなものを吊り下げられそうな輪っかの跡と隣には鉄棒になりそうなものが渡されていたりと元々遊具として設計された様子もあります。
事実はどうであれ、記念碑にも刻まれているように社を大切にして、共に助け合う気持ちがここで遊んでいる子供達に育まれればいいなと思いました。
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