石碑巡遊〜手書きの魅力

名文・名筆を求め、各地の史跡・社寺などを巡り紹介していきます。現在、NOTEへ移行中完全移行後、こちらは閉鎖します。

謎が多くある元、恵比寿社のある碑 〜飯塚氷川神社

こんにちは。久々になってしましました。

 

今回は飯塚氷川神社に参拝してきました。

 

 

よく見たら社額も立派です。きっちりしています。

 

由緒を読むと、江戸時代には根津神社の領地に当たっていたことがわかります。

風土記』にも氷川社ではなく、恵比寿社であったと記載があり、明治維新後に氷川社に変わったことになっています。恵比寿社の由来は不明であることになっています。

 

周囲の多くの神社を合祀しており、「字宮脇の神明社・熊野社及び境内社御嶽社(みたけ)、字野中の菅原社、字七台の稲荷社、字小宮地の稲荷社の六社を合祀した。」と由緒にありました。

 

創建は1516年と伝えられる歴史ある神社です。

 

 

拝殿の脇、八海山神王の祠です。

 

 

その前にある社号。二者を比較すると書き振りが違う気がしますが、どうでしょうか。「八海山神王」の草書の方が好きですが、「三笠山」の無理矢理な連綿が面白い。

 

 

こちらは拝殿の左側。

こちらも同様の文言が刻まれています。

 

 

こちらはどちらも同じ筆者のようです。太い筆で勢いよく書いています。

 



八海山の碑側に和歌が刻まれています。

 

松のこ影に
御嶽のかくれいて
やすらにはかる
雷の鳥鳳

 

ちょっとわかりにくい和歌でしたので、googleのBardを使って訳出してみました。

 

松の木の影に隠れて、
あなたは御嶽の神に守られています。
雷の鳥鳳は、
ここで休息しています。

 

Bardは「雷の鳥鳳」を神の遣い(鳳凰)と考えているようです。正直、この単語の意味がわからない。深い特別な意味があるのかと考えてしまいますが、どうなんでしょうか?

 

 

どんどんいきましょう。こちらは御嶽山の関係する神社の碑です。きっちりした楷書ですね。

 

 

同様に「御嶽山座主大権現」と書かれた碑があります。こちらが拝殿の代わりでしょう。こういう碑のことをなんて言うのか詳しい方いたら教えて下さい。

 

 

碑の左側面です。

「天下泰平日月時萌 五穀成然講中安全」

と書かれているようです。字は若干怪しいですが、ふわふわと舞っているようです。

 

右側面には「文久二壬戌旦月当山迷(?)立」と書かれています。「迷」かどうか判断に迷います。

 

 

上の二つの碑に挟まれてお坊さんの図があります。

 

なにせ資料が無いので判断に困りますが、よく見るとお坊さんが立っている部分は山の頂上らしきゴツゴツした岩肌が書かれています。

 

もしかしたら御嶽山で修行したある修験者の人物像を描いたものではないかと想像しています。

 


次は伊勢神宮参拝の紀念碑。二六書とありますが、これだけでは書者名は不明。
激しい筆遣いで書かれ、勢いがあります。

 

以上、飯塚氷川神社境内にある碑を見てみました。

 

境内には御嶽山関係のものが多く遺されています。富士山信仰と近いものと考えられるのでしょうか。いろいろ謎が多い神社であるのもまた、魅力ですね。

 

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