草加松原遊歩道 〜歴史を感じる文学碑散歩② ドナルド・キーン氏の筆跡を辿る
気温も暖かくなり、散歩に適した陽気になってきましたね。
前回、百代橋まで来ましたので、今回は矢立橋までを見ていきましょう。
百代橋まではこちらをご覧ください。
さて、前回歩き疲れましたので、百代橋から綾瀬川を渡り草加市文化会館の脇にあるこちらの施設に立ち寄ります。
筆者の人柄が伺いしれるような暖かい構えの額が迎えます。
「漸草庵 百代の過客」はドナルド・キーン氏の筆跡になります。氏は「おくのほそ道」などを海外に広めた日本文学の研究者です。
庵号にもなっている書籍もあります。
東日本大震災を経て日本国籍を取得した際、「鬼怒鳴門」という日本名を考えられたようですが、こちらにはその印が押してあります。金文調の丸みある柔らかい印で、名前にあるような「鬼が怒る」ような印象ではありませんね。(日本名は)「人を笑わせる時に使います」と本人が仰っていたようですので、まさにといったところでしょうか。
施設の中ではお茶と和菓子を頂けます。市の施設だからか、500円と破格のお値段。笑
この日は「鶯」という和菓子でした。お茶は狭山のお茶を使用しているようです。
この2体の木造は次回明らかになりますので、お楽しみに。ちなみに、一木造だそうです。また、水琴窟があったりと日本文化を楽しむことができる施設になってます。
では、英気を養ったところで、百代橋に戻り矢立橋までいきましょう。
百代橋の側には橋の名前の由来になった碑があります。「月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり」(『おくのほそ道』の一節)と書かれています。筆者名は不明ですが、柔らかい筆致の良い字ですね。
脇にはドナルド・キーン氏の記念植樹があります。
しばらく行くとまたドナルド・キーン氏の石碑に当たります。コロッとした丸みある雰囲気が良いですね。2015年の完成ですので、前述の漸草庵完成の4年前に当たります。こちらを見ますと氏は書の練習もされていたのではと想像できます。
矢立橋までの碑は以上になります。今回はドナルド・キーン氏が中心でした。次回はいよいよ遊歩道の終点までいきます。